沖縄と川崎の意外な絆

秋分も過ぎ、暦のうえではすっかり秋。風も涼しくなり、だいぶ過ごしやすくなりました。

ところで皆さん、「石敢當(いしがんとう)」ってご存知でしょうか?…はい、私は全く知らなかったです。沖縄などに多く分布する、魔除けの石碑のことだそうです。遠く南の地に見られるこの石碑が、川崎にもあるってご存知でしょうか?…はい、私は全く知らなかったです。

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JR川崎駅の東口広場、バスターミナルへと向かう正面に、大人の背丈ほどの高さがある石敢當があります。幾度となく前を通っていたはずなのに、全然気づきませんでした。魔除けですからね、人間が気づかぬとも、魔物が分かればいいのです。とは言うものの、なぜ沖縄に多い石碑が川崎に?知ってしまったら気になる…ということで、少し調べてみました。

まず、石敢當自体のことをもう少し詳しく紹介します。

沖縄で古くから伝えられている魔物の総称を「マジムン」と言います。このマジムン、直線方向にしか進めないそうで、T字路やY字路にぶつかると、そのまま突き当りの家へ入ってきてしまう恐れがあるのです。それを防ぐのが石敢當。元は中国の福建省が発祥で、強い武士にちなんで名付けられたそう。この名を見るだけでマジムンは砕け散ってしまうのだそうですよ。沖縄では、T字路などに大小様々な石敢當を見つけることができます。

さて、川崎と沖縄の関係は、遡ること100年前!大正時代、川崎市の工場地帯で働くために、沖縄から多くの労働者が移り住んできたことが始まりです。その時の労働者が持ち込んだ沖縄文化は、1952年に川崎市の、1954年には神奈川県の無形文化財にも指定されました。着実に、沖縄文化が川崎の地に根付いていたったんですね。

そんな中、1959年から数年にわたって、沖縄諸島は数度の大型台風に見舞われます。甚大な被害を知って立ち上がったのは川崎市議会。超党派で募金などの支援活動を行い、当時のお金で約1万ドルもの金額を集めたそうです。元々、友好関係が築かれていましたから、川崎市民にとって沖縄の惨状は、もう他人事ではなかったのでしょう。

そして、その救援活動の返礼として沖縄から贈られたのがこの石敢當なのです。また今年は、碑の設置から50年という節目の年でもあります。時節柄、現地へ行くことは難しくても、遠く南の地へ思いをはせてみるのもいいですね。

ちなみに、今、ラゾーナ川崎の1階では、「沖縄宝島」が期間限定でオープン。沖縄の特産品が盛りだくさんです。

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私は、定番のサーターアンダギーと沖縄そばのカップ麺を購入。美味しいもので沖縄と繋がりたいと思います♪

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