前回の投稿で、川崎の老舗和菓子屋、川崎屋東照さんのことを書きました。
初めて本店を訪れ、お店奥にあるイートインスペース「茶寮木ノ実」がど~しても気になり、一週間も経たずに再来訪です…。どんだけはまってるんだと自分につっこみながらも、ワクワクを抑えられず席につきます。四人掛けのテーブルが3台、二人掛けのテーブルが2台だったかな。本当にこじんまりしたスペースです。
お昼時にうかがったところ、先客が1組。常連さんでしょうか。品の良いおじいちゃま2人が仲良く和菓子をつついております。平和な風景にほっこりした気持ちになって、メニュー選びへ。店頭の生菓子とお抹茶のセットなどもありますが、せっかくなので喫茶でしか食べられないものにしましょう。選んだのは、「奈良茶飯風おこわ(税込626円)」と「ここだけの最中(2個)(税込240円)」。奈良茶飯風おこわは、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』でも紹介されているという川崎宿の名物で、ここでは記録にあるレシピを元に再現しているそうです。(※おこわは、通販も行っているそうです)
このおこわ、うるち米ともち米の他、栗や炒った大豆、粟や小豆が入ってます。お茶で炊き上げているからでしょうか。少し香ばしく、味に奥行きがあります。やや硬めに炊き上がったご飯に、ふっくらした大豆や小豆が加わって、歯ごたえがありながらもモチモチした食感が美味。そして、栗の甘みがすごいです!甘くてホクホクで、とても良いアクセントに。一緒に供されるシジミの味噌汁もお出汁が効いていて、おこわによく合います。おこわに味噌汁に奈良漬け、とてもシンプルなのに、なんて満足感のあるセットなのでしょう。
続いては、欲張って注文した「ここだけの最中(2個)」。最中の皮の部分と中身の餡が別々に出てきます。餡はつぶあんと栗餡の2種類で、自分の好きな加減で最中を作ることができるのです。
まずは餡だけで味見を。つぶあんは甘過ぎず、ちゃんと小豆自体も感じる上品なお味。栗餡は、ちょい甘めかな。これらを好みの割合で皮の中へ。私は甘みを存分に味わいたいので、栗餡を少し多めにしました。2枚の皮を合わせて、オリジナル最中の出来上がりです。
ひと口頬張ると、口の中に栗の強い甘さと上品なあんこの甘みが層になって広がります。皮がまた、パリパリなのがいいですね。餡はどちらもたっぷりついてくるので、2個目は皮からはみ出すほどたっぷりに。ちょっとお行儀は悪いかもですが、市販にはない、かなり贅沢な最中に仕上げます。は〜、満足!ご馳走さまでした!