地上も地下も開発が進み、どんどんオシャレになる川崎駅周辺。パン屋さんもフランス発祥のスタイリッシュなお店など、続々オープンしています。あまりに洗練されているお店を前に、もう気軽に「パン屋さん」なんて言えない、「ブーランジェリー」って言わなきゃ!…と、無駄な強迫観念に駆られている今日この頃。
子どもの頃どんな小さな商店街にも必ずあった、その町に馴染んだパン屋さんが恋しくて、訪れたのは「ベーカリーフクナガ」。川崎駅東口から川崎区役所方面へ、ゆっくり歩いて10分程度。区役所が入ったビルを曲がった平和通り商店街にあります。
商店街と言えども周りは飲み屋が多く、午前中はシャッターが閉まったお店ばかりです。そこに一軒、たたずむパン屋。可愛らしい店構えとパンの香ばしい匂いに引き寄せられます。これぞ、求めていた「町のパン屋さん」です。
店内には、コッペパンにカレーパン、コロッケパンに焼きそばパンと、慣れ親しんだ定番のパンが並んでいます。本日選んだのは、カレーパン、揚げあんパン、黒豆きなこクリーム入りくるみパン、クリームパフの4つ。
まずは定番のカレーパンと揚げあんパンから。
カレーパンのカレールーは甘め。中学生の頃の給食カレーを思い出す味です。やさしい、お子さんも好きな味ですよ。揚げあんパンのあんこは、甘さがちょうどいい。しつこくない絶妙な甘さです。あずきは、こしあん寄りだけど少しだけつぶが残っている感じが好みです。
続いて、黒豆きなこクリーム入りくるみパン。
くるみパンに、黒豆きなこクリームが挟んであります。きなこの風味に黒豆の甘味、どちらもちゃんと主張していて美味。くるみの香ばしさが、いいアクセントになっています。
最後はクリームパフ。
パンとシュー生地の間のような、ふわふわサクサクの生地の中にお店オリジナルのクリームがたっぷり。このクリームが、少し不思議です。固めのホイップで、生クリームでもなくカスタードでもない。前に食べたことがあるような味なのだけれど、正体がつかめない…そんな感じ。あえて言うと、子供の頃に友達のお母さんが出してくれた、手作りスイーツのよう。懐かしくて美味しい、そして心がこもっている、そんなパンです。
ブーランジェリーもいいけれど、昔ながらのパン屋さんもやっぱり美味しい。ずっとあり続けてほしい1軒です。